東芝の高性能モバイルノートを実機レビュー評価(2010/12月)
【サイト内の関連ページ】: 直販サイト『 東芝ダイレクトPC 』を徹底評価
今回、「東芝ダイレクトPC」さんから、高性能モバイルノートの、13.3インチ液晶dynabook R730/W2MA テスト機をお借りする機会がありましたので、実機でのベンチマークテストを交えたレビュー評価報告です。(下記写真)
このノートは、東芝では「スリムコンパクトノートPC」というジャンルに位置付けられたものですが、当サイトでは、「高性能モバイルノート」というカテゴリで、2010年11月ランキング2位となったものです。
これは、当サイトの「高性能モバイルノートの判断基準」である、@B5ファイル原則12インチ(例外的に13.3インチ含む)、A重さ:女性に軽い1.5kg 以下、Bバッテリ動作時間が長い。5時間以上、CデュアルコアCPU(2コア)など高性能ハードがある
という条件から評価した結果での、モバイル性能順位です。
この性能評価の高い理由は、上記の1〜4のどの項目も、まんべんなく満足し、特にCore i5-560M という CPU性能がトップで、クーポン適用後価格が上位の中で最も安かったためです。
このように、高性能モバイルノートという側面からは、上位ランクと考えられますが、その機能のひとつひとつを見て行きたいと思います。
【モバイルノートとしての特徴】:
高性能モバイルノートに必要な機能として、外出中、移動中でも利用出来ると言う「モバイルWiMAX」があります。本製品にも搭載されていますが、外観からは分かりません。確かにアンテナやカードの出っぱりというものがないので携帯性を損なうことはないようです。
dynabook R730には、インテルの 「Centrino Advanced-N+WiMAX 6250通信モジュール」が内蔵されていて、このモジュールは、IEEE802.16e-2005に準拠、「下り最大20Mbps、上り最大6Mbps」を謳っています。
ただ、サイト説明によれば、「数値はモジュールの仕様であり、実速度ではない。サービスエリア内でも通信環境や混雑状況の影響により、通信できない場合や通信速度が低下する場合が起こる」ということでした。
また、利用料金を調べると、モバイル WiMAXキャンペーンで価格比較して見ると、UQコミュニケーションズの例で、基本月額が約4000円ほどかかってしまいます。
もちろん、無線LAN内蔵(IEEE802.11a/b/g/n準拠)なので、IEEE 802.11n 対応のアクセスポイント利用であれば、こちらの方が(公称最大、300Mbps )高速です。
UQ WiMAXの例では、サービスエリアの広さは、ひとつの基地局でカバーできる範囲が、無線LANとは比較にならないほど広範囲(最大半径3km)で、さらにビルが立ち並ぶ都市部での利用を視野に入れ、密に基地局を配置する予定のようです。
モバイルWiMAX搭載の利点は、やはり、無線LANができない広域エリアでの利用や、電車、車など高速な乗り物(時速120km/hまでの移動体)でも利用できるという点ではないでしょうか。
かなり田舎のサービス対象エリアでない人、屋内が中心の無線LANで十分間に合う人は、特にこれを利用する必要はありません。今回のレビュー評価は、もちろん無線LAN(11n 対応のアクセスポイント)の方で行ないましたが、フレッツ光回線(実測で下り:60〜74Mbps、上り速度:13Mbps)に比べても、特にストレスは感じませんでした。
次に、ユニークな特徴の機能に、「ジェスチャーコントロール付きタッチパッド」や「指紋センサー」というのがありますので、最初に紹介します。
「ジェスチャーコントロール付きタッチパッド」は、タッチパッド上の指の動きで拡大・縮小ができる、上下左右のスクロールはもちろん、文字や画像の拡大/縮小なども可能というものです。
これは、iPad などの画面タッチ操作とは違いますが、ブラウザやファイルホルダーなどで使え、文章の小さな文字拡大や、特にライブラリーにした多数の写真画像を拡大チェックする時に、連続して拡大が出来るので大変便利に感じられました。
また、指紋センサと「指紋認証ユーティリティ」ソフトが用意されていて、指紋認証が出来るので、外部に持ち歩く方やビジネス用途には好都合でしょう。
「指紋センサー」は、指でなぞって使いますが、登録した指紋の持ち主しかパソコンを使用できないように設定できる機能です。
(今回テストすると指紋消去が必要なのでしませんでしたが)登録した指を指紋センサ上にすべらせるだけで、パスワードを入力する必要がなく、Windowsログオンがカンタンに行えるということです。
【3Dベンチマーク3DMark06 のレベルは?】
次に、本サイトはスタート当初から、PCの3Dグラフィック処理機能に強い関心とこだわりを持っているため、現状の「高性能モバイルノート」の持つ、この3Dグラフィック性能が従来から気になりました。
しかし、本機のようにCore i3 、Core i5などCPUに内蔵されたグラフィック機能( Intel HD Graphics ) の性能は、いかほどのものなのでしょうか。実際に3Dベンチマーク(3DMark06)を取ってみました。
【CPU-Zのデータ】
まずは、テスト機のCPUデータから:
Core i5-560M(2コア4スレッド、動作速度 2.66GHz、ターボ時最大3.2GHz、3次Cash 3MB)は、Arrandaleと呼ばれるコアです。
【GPU-Zのデータ】
テスト機のGPUデータから:
Arrandaleと呼ばれるコアに内蔵GPUは、Intel HD Graphics ( GMA HD or GMA5700MHD ) というもので、GPUクロックは、500 MHz 〜ターボ最大766 MHz。
GPU-Zによる371MHzが少々気になりますが、まーよくあることです。
【3Dベンチマーク:3DMark06 の結果スコア】
【3DMark06 B120】
総スコア:1925、
SM2.0スコア:601、
HDR/SM3.0スコア:768、
CPUスコア:2638
(但し、解像度 1280×768 None Anti-Aliasing )
ベンチマーク3DMark06のデモシーンを掲載して置きます。動画像は、中央の三角印をクリックすると、見られます。
今回、テスト機で、3DMark06 B120 ベンチマークのスコアは、思ったほど悪くありませんでした。
ベンチマーク各テストシーンの映像は、時々一瞬止まるような場面もありますが、(性能不足で)スキップされることもなく、最後まで楽しく見られました。
ただ、CPUテスト1、2に入ると負荷が重いためか、強制冷却ファンの音が聞こえました。終わるとファン音も静かになりました。
サイト内の別ページ「メインストリーム/エントリーGPU搭載のBTOノート1覧」での、Intel HD Graphics の3DMark06 ベンチ参考値が2000前後でした。テスト機は、1925ですので、ほぼその数字が出ています。
だいぶ前に実機で取った東芝AVノートは、GPUがGeForce 9600M GT ( 512 MB )、CPUがCore 2 Duo P8600搭載でしたが、これと比較しても、3DMark06スコア4073 の約1/2の数字が出ています。
CPUスコアなどは、2139より大きい数字が出ています。(SM2.0、HDR/SM3.0の数字も約1/2と低いのですが、)重くない3Dゲームならそこそこ出来るかも知れません。
一つ前のインテルGM45/GE45/GS45チップセット内蔵グラフィックである、Graphics Media Accelerator (GMA)4500MHD の3DMark06 ベンチ参考値が800前後であったのに比べれば、格段の進歩と言える2倍以上のスコアが出ています。
以上、デュアルコアCore i5-560M と、CPU内蔵GPUのIntel HD Graphicsの性能は、モバイルノートとしては十分のものと言えます。
本ノートに付属している、動画編集ソフト「Corel Digital Studio for TOSHIBA 」による、「撮影した写真、ホームビデオ映像やダウンロードした音楽など、取り込んだファイルの一括管理や編集などがカンタンに行えます」と言っているのもうなずけます。
★【 dynabook R730/W2MA 実装デバイスデータチェック 】
@塔載のメインメモリー: その種類と容量?
装着されていたメモリーは、サムソン製の純正品、合計4GB、2GBが2枚でした。
型番:PC3-10600S-09-10-ZZZ (デュアルチャネル PC3-10600(DDR3-1333)、4chips )。
A塔載のハードディスク: その種類と容量は?
装着されていたHDDは、東芝ではなく日立の、320GBでした。
型番:HTS545032B9A300 (SATA 3Gb/s仕様、5,400 rpm)
下の写真は、バッテリーと、メモリー、ハードディスクのカバーをはずしたところです。ネジ2本でカバーが取れますので、初心者でも交換やアップグレードが出来ます。
B液晶の種類は何か?:
13.3型ワイド(16:9) HD (high definition) TFTカラー LED液晶 解像度1,366×768。周囲の写りこみがない非光沢液晶。
Cインターフェース(接続出来る入出力コネクターと機器)
左から
●DVDスーパーマルチドライブ(DVD±R 2層書き込み、Matsushita、DVD-RAM UJ892ES )
●SDカードスロット(SDメモリ、SDHCメモリ、SDXCメモリ各カード対応) 、
●PCカードスロット(TYPEUスロットPC Card Standard準拠、CardBus対応) 、
●ヘッドホン出力(3.5mmステレオミニジャック)、
●マイク入力(3.5mmミニジャック)、
●USB2.0、
●LAN(RJ45)
左から
●電源コネクタ、
●通風口、
●RGB(15ピン、ミニD-sub)、
●eSATA(USB2.0と共用):外部SATA機器接続用
●USB2.0、
●外部テレビなどのHDMI出力端子
さて、写真はDVDスーパーマルチドライブを引き出したところですが、左側のキーボードのキーのピッチ(19mm)が広いのがお分かりでしょうか。
dynabook R730では、タイプミスを軽減するため、キーとキーの間に間隔があるように設計しています。また、「Enter」キーを大きくし、快適に、心地よく使えるように工夫をしてます。
D信頼性・その他:
1.GPUやCPU、電源の発熱対策はどうか:
標準消費電力: 約13W(最大65W) 、
環境条件: 温度5〜35℃、湿度20〜80% の表示データ。
上の3Dベンチマークテストの箇所ですでに書きましたが、CPUテスト1、2に入ると負荷が重いため、強制冷却ファンの音が聞こえました。この時に、上の写真の通風口(8個の穴)から、熱気が排出されるのも解りました。
本ノートの実際の用途、使われ方では、このCPUテスト1、2ほどの重い負荷状態になることはまずないと思われます。
以上のチェックから、発熱対策については、余裕と安心感があり、東芝ブランドの信頼性は、十分あると思います。
【 dynabook R730/W2MA 外観(東芝サイトデータより)】
つや消しの黒色仕上げ(わずかにヘアライン調)、光沢のない液晶は周囲の写りこみがない。本体の厚さは、突起物がないため、薄く感じる(18.3〜42.8(最厚)mm)。
以上、本レビュー評価の終わりに当たって、当サイトで、「高性能モバイルノート」というカテゴリで、2010年11月ランキング2位の評価も間違ってはいなかったと確認でき安心しました。
さらに、「Corel Digital Studio によるAV一括管理、顔認識おまかせフォトムービーによる自動作成・再生」など、エンターテインメントのためのAVノートとしても、「総合的には高いグレードの評価」が出来ると思われます。
最後に、メーカーに苦言を呈しますと、東芝のノートは、WEBオリジナルながらBTO選択が出来ないという点が、まことに残念です。
納期が、即納(1〜3営業日)とは言え、競合他社は、ソニーを筆頭にフル・カスタマイズに近い仕様としているのが現状ですので、是非とも再考をお願いしたいものです。
さて、東芝ダイレクトPCから、Windows 7 Home Premiumインストールの、WEBオリジナルモデル、dynabook R730/W2MA の価格(直販ページへ)は、43,000円OFFクーポン適用後価格¥119,800円〜でした。
写真は、Windows 7 Professional 搭載の dynabook R730/W2PA Webオリジナルモデル
2011年 1月誤記修正
■サイト内の関連ページ: 直販サイト『 東芝ダイレクトPC 』を徹底評価
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