初心者のクリエイターPC入門
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本ページは、初心者の入門向けに初歩的な事柄を書いています。すでにBTO仕様サーバー・ワークステーションをカスタマイズされ使っているプロの方は対象としておりませんが、基本事項の見直し程度にお読み下さい。2009年2月記載のため部品型式などが少し古くなっていますが、基本的な考え方やPC構成方法は変わっていません。
【本ページと関係深いページ】 :
Adobe Creative Cloud (CC) 推奨スペックPCモデルへ
3DCG制作入門向けパソコン -Blenderが快適
3DCGアニメ制作推奨PC - 3ds Max, Maya, Cinema 4Dなど快適
動画編集向け推奨スペックPC - Adobe Premiere, PowerDirector, After Effectsなど快適
動画(ビデオ)編集パソコン一覧へ
動画編集(ビデオ編集)は、NVIDIA Studio PC の時代へ
そもそもクリエイター(クリエーター)向きパソコンとはどんなものを指しているのでしょうか、ということから入っていきたいと思います。
※注記)
「撮影した動画を編集して動画サイトに投稿したい、一眼ムービーなどの映像を編集したり、DVDを作りたい」方には、●EDIUS(エディウス)が快適に動作するPCのスペック−特にAVCHD動画編集や、●動画編集パソコン一覧と言った記事からお読みいただく方が分かりやすいかと思います。
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【動画教材エディターとは?】
クリエイターPCで、かなり前から実績を公表している、ドスパラのページには、『デジタルコンテンツ制作に最適化されたPC ワークステーション』という表題がついており、「高度な技術を駆使する3DCGやイラスト、デジタル・コミック、ビデオ編集など、デジタルコンテンツクリエイト(DCC)を快適に行う高性能なPC」と書かれています。
記事を書くにあたり、このドスパラのページのPrime PC 導入事例も参考とさせて頂きました。
また、ドスパラページに書かれていない、これら以外の用途に「Autodesk やAutoCAD」と言った代表的『業務用 「CAD」 』での利用も挙げておきたいと思います。CADソフトを使う人(機械設計・電子設計の担当者であり)は、クリエーターとは云わない現実もありますが、クリエーターには、CADに構造的に類似したAdobeなどのアプリを利用してる事実もあると思います。
少し専門的になりますが、これは、一般向けPCでは、グラフィックスカードのGPU機能を利用するためのAPI には、マイクロソフトのDirect X 9〜11 が使われるのに対し、グラフィック系アプリケーションやCAD系ソフトでは、オープン・ジーエル(OpenGL)と言う、API が主に使われるという大きな違いがあるためです。
※注記)
API(Application Programming Interface )とは、アプリケーションを開発する際に、OSの機能を呼び出して利用するために準備提供された接続用ソフトである。アプリケーション側が呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた標準ライブラリから構成されている。
OpenGLは、UNIXワークステーションの他、Windows、Mac OS X等でも使用できるクロス(マルチ)プラットフォームのAPI。現在、OpenGL 4.X が最新。DirectXとの関係では、OpenGLはグラフィックスを専門的に扱う、オープンなライブラリである。対してDirectXは、ゲーム開発での利用を主な用途としており、グラフィックのみならずサウンドや入力関連のAPIを含んでいる点で性質が異なる。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(OpenGL-Wikipedia))
当サイトのモットーである初心者にやさしい説明ということで云うと、ゲームなどエンターテインメントの用途では、たとえ誤動作しても現象が判らなかったり、たいした問題にはなりませんが、プロの業務開発などの利用時にそれが万一起きたら、(回復するまでの時間など含め)被害が甚大なものになることもあるということです。
本来がワークステーション向けのOpenGL系ソフトのハードウェア環境には、この点高い信頼性が求められて来たという長い歴史があり、スペックが基本的に異なると思われます。
このため、ドスパラでは、「PC ワークステーション」というサブタイトルも出てきています。(ドスパラのクリエイター向きPC=ワークステーションという意味ではなく、意識した安定設計くらいの意味と思われます。)(→【初心者のサーバー・ワークステーション入門】 )
【クリエイター向きPCの条件】
以上の観点からクリエイター向きPCの条件 ?を整理して見ますと、 (マニアの方やこれからプロになろうとする方には)少し厳しい条件かもしれませんが、下記の7項目のようになりました。
1.グラフィック・アプリケーション(OpenGL系)に強い「グラフィック(ビデオ)カード」を搭載してるかどうか。
代表的な3DCGソフトの1つである「Maya」 (3DCG制作ソフトのデファクトスタンダードとも言われる)は、ほとんどの中〜高品質の「 OpenGL 」グラフィックス カードで使用できるハードウェア オーバーレイ プレーン機能(ページ最下欄の注記1.参照方)を採用しています。
これは、オーバーレイ表示で、下層にあるグラフィックスが複雑で再描画に時間がかかる場合に、全体を再描画することなくすばやく表示できるようにするためです。
このことから分かりますように、使用する3DCGソフトが、「Maya」 と同じように、ハードウェア オーバーレイ プレーン機能を使っていることも多いかとも予想されます。
現在の「 OpenGL 」定番ビデオカードは、NVIDIAの Quadro シリーズです。
下記の図表は、マウスコンピュータのクリエイター向け用途パソコンページに出ている、NVIDIA Quadro シリーズ説明用のもので、 SPECviewperf 10というベンチマークの性能結果を分かりやすく表示しています。
注記)SPECは、The Standard Performance Evaluation Corporation (SPEC)の略で、ワークステーションベンダーが作った、性能評価機関です。
「SPECviewperf」は、OpenGLを使用したアプリケーションの正式なベンチマークツールと言われ、3DCGや、CAD に適したビデオカードを選ぶ上で欠かすことの出来ないツールです。
実際の 3DCG/CAD ソフトウェアに近い OpenGL のシェーディング方法で、オブジェクトの描画速度を計測します。
この図から、NVIDIAの Quadro シリーズのグラフィックカードが、GeForce 系カードに比べてかなり高い性能で、この用途に適しているかが理解できます。
また、下図は、ASCII.jpの編集部が、最新版のSPECviewperf 12で、「Quadro K2000D」と同程度の回路規模を持つ「GeForce GTX650」を比較したベンチマーク(2014年4月)の結果です。
(なお、最新版(2013年12月)のSPECviewperf 12については、3DCG制作での推奨パソコンの評価方法と探し方選び方のページに詳しく紹介しました。)
また、Quadro シリーズは、主要なアプリケーションから数多く公認を受け、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)各社に安定動作、高精細で高速な描写などが認められているという長い歴史もあります。
2.サーバー・ワークステーションに近い、信頼性の高いCPU搭載かどうか? Core 2 Duo以上、出来れば、クアッドコアCPU 。
信頼性の低いCPUがあるのかと言われそうですが、信頼性の高いCPUということの本来の意味は、一般向けCPU(Pentium系)より性能技術面で先行した信頼度の高い機能を搭載した、(インテルが古くから)サーバあるいはワークステーション向けとして製造販売している、Xeon(ジーオン)のような最上位に位置するCPUの意味です。
以前はデュアルプロセッサとかマルチCPUという言葉は、このXeonのことを指していました。現在でも本格ワークステーションにはこのCPUが採用されています。
クリエイター向きPCでデュアルCPUが必要ということは、「エンコードやレンダリング等、高い負荷がかかる処理」に、マルチ・スレッド処理機能が是非とも欲しいからです。
3.サーバー・ワークステーションに近い、信頼性の高いメモリーシステム搭載かどうか? 出来れば、ECC機能など。
サーバー・ワークステーションのメモリーは、レジスタードECCというタイプで、安定動作のためのインターフェース回路とエラー発生時の訂正機能(ECC:Error Check and Correction)が付いているのが当たり前となっています。
4.サーバー・ワークステーションに近い、信頼性の高いハードディスク(構成)搭載かどうか? そのメーカーは?出来れば、RAID機能など。
サーバーのように24時間稼動しても大丈夫か。RAID 0/1、 できれば、RAID 0/1/0+1 が設定可能なレイド(RAID)機能搭載。(詳しくは、→【初心者のサーバー・ワークステーション入門】 )
5.信頼性の高い電源ユニットやマザーボード搭載かどうか? そのメーカーは?出来れば、(80Plus対応電源)など?。
本格ワークステーションには、従来から、ワークステーション専用に設計されたマザーボードやチップセットが使用されています。(これは、自作向け汎用マザーボードより、かなり高い価格のものです。)
6.使用動作環境や温度表示をしてるかどうか? これはメーカーとしての信頼のバロメータになります。
使用動作温度10〜35℃、湿度 8〜80% など。(保存温度とは異なります。)
7.無停電電源装置UPS(Uninterruptible Power supply)については、もし重要な業務用途であれば、是非とも欲しいものです。
注記)
1.オーバーレイプレーン(ハードウェア オーバーレイ)
一般的には、オーバーレイはグラフィックスを描画できるピクセルバッファのことですが、これがハードウェアのメモリー領域にある場合は、オーバーレイ上のグラフィックスを消去しても、その下層にある(オーバーラップして表示)グラフィックスは損傷を受けません。
このため、下層にあるグラフィックスが複雑で再描画に時間がかかる場合は、性能の向上に役立ちます。
代表的な3DCGソフトの1つである「Maya」 は、殆どの中〜高品質の OpenGL グラフィックス カードで使用できるハードウェア オーバーレイ プレーン機能を採用しています。(これはグラフィックスカード上のビデオメモリーを利用していると考えられる。)
「Maya」 で使われるオーバーレイ プレーンとは、プログラム上で、他のグラフィカル・エレメントの上にある一部のユーザ インタフェースを、全体を再描画することなくすばやく表示できるようにする機能です。
「Maya 」は、シングル バッファ、あるいはダブル バッファの 4 ビット、またはそれ以上のオーバーレイ プレーンで動作します。グラフィックス カードによっては、アルファ プレーンをオフにしなければオーバーレイ プレーンを使用できないものがあります。
さらに、Autodesk Maya サポート情報には、次の注記も書かれています。
★ハードウェア・オーバーレイプレーンの無いビデオカード:
ハードウェア・オーバーレイプレーンが無い(またはハードウェア・オーバーレイプレーンをオフに設定した)ビデオカードを使用した場合、 ArtisanまたはPaint Texture技術等を使用する操作において、性能が著しく低下する可能性があります。
また、シーンやMayaインターフェイスの外見の操作において、ハードウェア・オーバーレイを使用した場合と、視覚的な違いが発生します。
●ハードウェア・オーバーレイプレーンが無いカードの例:
ATI Radeonファミリー、NVIDIA GeForceファミリー
2014年2月ハードウェア オーバーレイ部分を追記
★とっておきの写真をより美しく!画像編集ソフト特集 ★(Bector)
【本ページと関係深いページ】 :
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●After Effects STUDY!! アフターエフェクトの初心者向けチュートリアルや使い方
●AE:GATHERING * AfterEffectsの海外チュートリアル集(AEでモーショングラフィックスの作り方を解説)