iPad の位置付け:すごい点、出来ないこと、そしてAndroid 3.0タブレット
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(本記事の作成は2011年2月です)
発売から9ヶ月、iPadの人気と評価はますます高くなって来たようです。このタブレット型携帯端末(タブレットPC)というものの、位置付けに悩んでいる方も多いと思います。特にモバイルノートの置き換えとなって行くのか、個人的にも少し気になるところです。
「Android 3.0 タブレット端末」の登場も、下のほうに書きましたが、これが発売されるまで待った方がいいのでしょか、もちろんMacファンは、もう待つ必要がないでしょう。
発売当初の、日経誌「WinPC」のiPad評価(2010年6月号)も、「大きく高速なiPhone」でした。まずは、そのポイントのみ引用しますと、
1.iPhoneの操作と何ら変わらない。ただ、ディスプレーが大きく、動作が速いことで、使い勝手が格段によくなっている。
2.ブラウザの「safari」は、表示が広くなったため明らかに見やすい。
3.YouTube動画も大画面で見ると、迫力があり、HD画質ならさらに美しい。
(注:WIFIで、720p HD video表示が可能)
4.「マップ」は、地図や衛星写真が表示されるまでの速度や拡大/縮小がスムーズになった。
5.追加された「iBook」は、書籍を読むのに適した作りになっていて、文字の大きさや、書体を自由に変更できる。
(日本語は、1書体のみ)
6.自宅でWEBブラウザとして、使ったり、メールを読んだり、ダウンロードした動画を見たりといった用途なら、十分満足できる。
7.680gと片手で持つには重く、背面が滑りやすいので、手に持って移動中に長時間使うのは難しい。
さて、この特徴的な評価は、現在でもほとんど変わらないと思われますが、経済性も重要なファクターです。
【iPad の経済性(日本国内の場合)】
1.Wi-Fiモデルなら最安値が、16GBの¥48,800円であるが、Wi-Fi + 3Gモデルになると、最安値の16GB品でも¥61,800円である。
2.Wi-Fi無線LANエリアの建物内利用なら良いのだが、公園や屋外などでは、3Gデータサービスへの加入が必要となり、(iPhoneを利用の人ならお分かりと思うが)この料金が結構かかってしまう。特に地方では、3Gの速度が遅いので注意が必要である。
3.これらを考えると、商用利用ならランニングコストは気にならないが、個人用途で、しかも都市部でない、屋外の3G回線での利用が中心となる場合は、薦められない。(ソフトバンクの場合は都市部ではハイスピード化されています)
4.低額ながら「ウェブ基本使用料」というのが、¥315円/月かかる。(これはiPhoneで、「S!ベーシックパック」と言われ、iPhoneでMMS送受信、ウェブサイトの閲覧を行なうために必要で、加入が必須となっているものと同じのようです。)
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以下は、最近見つけた、米国のブログ(ウベルギズモ)から要点のみを拾ったものです。(ライターはiPadのファンでしたが)余りに、率直な、たいへん参考になるレビューのため、下記に引用して置きます。
【iPad のすごい点】
1.ウェブ・ブラウズとメール:
ノートに比べて、バッテリーが長持ちする。軽い。「インスタント・オン」、ブート時間がない。シャットダウンがない。フラッシュのあるサイトが見られないが、95%以上問題にならない。
2.ウェブ上でオンデマンドのストリーミングビデオを見る:大変見やすい。
3.ニュースや漫画を見る場合:
漫画を見るのは、紙の本よりすばらしい。ある種のニュースはウェブより速い。本を読むのに適しているが、ディスプレーのもっと高い解像度、大きなサイズを期待したい。
4.飛行機の中で映画を見る場合:
ノートでは、バッテリーが切れてしまう長時間ものに便利(10時間もつ)だが、疲れるのでスタンドが必要となる。
5.地図での利用:車のナビに使うと便利。
6.写真やビデオを見る:フォトギャラリーに良い。ビデオのチェックはこれから。
【iPad の不得意な点】
1.長い時間、(およそ10分以上)文章を書くことはつらい。
2.ハードゲーマーにとってのゲーム:ゲームコンソールの好きな、PCゲーマーには、つらい遊びとなる。コントロールに快感がない。今後もっと改良されるだろうが、タイプじゃない。
3.ワードでの作業、プリゼンテーション、スプレッドシート作成、などもできるのだが、むしろ従来のPCでやりたい。
4.2つの理由から短いメッセージの作成には向かない:1.疲れる。2.すぐスリープモードに入る、アプリが閉じてしまう。
【iPad の出来ないこと】
1.カメラが付いてない。
2.USBポートがない。
3.バックグランド(マルチタスク)処理なし。
(→アップルは2010年11月22日、マルチタスク対応の最新OS「iOS 4.2」を公開し、無料アップグレードが可能となった。さらにフォルダー、メールの複数アカウント管理、スレッド表示などをサポート。新機能として、「AirPlay」(写真やムービーを大画面テレビで見られる機能)、「AirPrint」を追加。「Find My iPad(iPhoneを探す)」も無償提供。)
4.仮想キーボードが使いにくい。
5.フラッシュに対応しない。
6.AT&T のみの対応(練習時)。
7.ワイドスクリーン設定は不可。
8.アプリケーション対応が閉ざされている。
9.購入できるアプリのリストが作れない、ダウンロード出来るファイルのリストを作れない。
10.その他
【結論】: いい出来だが、全ての人のものではない。
筆者の感想も似ていますが、古いマッキントッシュパソコン時代を思い出すようで、良くも悪くも、iPadは、iPadというブランド品そのものなのです。と言ったほうがいいのかも知れません。(iPad下取り20%アップ実施中。)
(ネットブックやミニノートを含めて)モバイルノートの置き換えとして、使いたいと感じる感性の人もいれば、使い込めば置き換えに利用できると思われても、使いたくないと感じる人もいるのではないかと思います。
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【iPad(Wi-Fiモデル)の主要仕様】
・9.7型液晶ディスプレー、IPS方式:1024×768ピクセル、解像度132 ppi
(LEDバックライト、IPSテクノロジー搭載9.7インチ(対角)ワイドスクリーンマルチタッチディスプレイ)
・CPU:Apple A4、1GHz(ARM ベース)、256MB RAM、グラフィックス内蔵
省電力型SoC( System on a Chip):CPU、メモリー、GPUがチップシステムとして統合された。
・ストレージ:16GB、32GBまたは64GBフラッシュドライブ
・ワイヤレス通信
LAN:Wi-Fi (IEEE802.11 a/b/g/n)、周辺機器:Bluetooth 2.1 + EDR
・重さ:680g(Wi-Fiモデル)
・スピーカー:2個、その他マイク
・バッテリー:3.75V、25Whr(6667mAh)
(リチャージャブル、リチウムポリマーバッテリー、Wi-Fiでのインターネット利用、ビデオ再生、オーディオ再生:最長10時間)
・価格:SoftBank Wi-Fi スポット(2年無料) 付きで¥48,800円
以上iPadの評価でしたが、これに本格的に対抗するタブレット型端末がようやく発売されそうです。携帯向けだったグーグルOS、アンドロイド(Android)を改良した、タブレット端末向「アンドロイド3.0」(の開発者向けSDK)が、1月31日公開されたからです。
【Android 3.0 タブレット端末の登場と評価】
現在予定されているのは、モトローラと東芝ですが、モトローラのタブレット「Xoom 」が、米 Verizon 向けに2月末に発売、またWiFi 版は4月登場とされています。
Motorola Xoomの主要なスペックは以下の通りで、iPadに本格的に対抗するタブレット端末仕様となっています。
(→ほとんど同じ仕様?と思われる東芝のハイエンドタブレット)
・OS:Android 3.0 honeycomb
・液晶ディスプレイ:対角10.1インチ1280 x 800 (1080p HD サポート)
・CPU:デュアルコアのNVIDIA Tegra 2: 1GHz (NvidiaのGPU一体型SoC)、
・メインメモリー:1GB DDR2 DRAM、
・ストレージ:32GB内蔵ストレージ + SDスロット、
・カメラ:背面にデュアルLEDライトつき5Mピクセルカメラ、前面に2Mピクセルカメラ、
・ワイヤレス通信:
IEEE802.11 b/g/n WiFiに3G / 4G (LTE)アップグレード可能、
周辺機器:Bluetooth 2.1 + EDR + HID
・ビデオ再生10時間駆動
・コネクタ:3.5mm micro USB2.0 HS
・約730g
iPadをハイビジョン解像度、デュアルCPUなどでだいぶ上回る性能を持たせていて、iPadより高速なのではと思わせる、次世代Android タブレットのようです。
さらに重要なのは、ブート時間の長いWindows OSと比較した時の、基本 OSなのですが、「アンドロイド3.0」は、信頼のおけるメディアに報道によれば、
・処理能力の高い高性能CPUや長時間駆動バッテリー、次世代の高速通信などを搭載した端末を想定し、複数のアプリケーションを同時に起動して処理できるマルチタスク機能をつけた。
・デスクトップ画面はよりパソコンに近くなり、ウィジェットと呼ばれる簡易型アプリをアイコンのように表示できる。
・大きなタブレット画面でもスムーズに動作し滑らかな動画などを楽しめる。
・地図を立体的に表示できる他、テレビ電話も可能。
と言いますが、ブート時間など詳細は、まだ不明です。
現在9割以上のシェアを持つ、iPadの競争上の独占を防ぐ意味でも、発売が楽しみですが、4月までiPad との比較は出来ないようです。
最後に、最近のタブレット端末の話題として、
ビジネス用途はさまざまに考えられているようですが、村上龍さんの本や、紀伊国屋での書店アプリなどと、日本での利用は、電子書籍としての評価・関心が、消費者の間に高まって来た感があります。
日経新聞(電子書籍「今読みたい」が3割)などによれば、書籍としての価格設定は、文庫本・雑誌で300円程度を希望しているようで、これは出版社の設定とまだ開きがあるようですが時間の問題でしょう。
iPad以外の「タブレット型携帯端末」商品の動きでも、電子書籍としての話題が豊富です。
■ガラパゴス( GALAPAGOS )
2010年末に発売のシャープの「ガラパゴス( GALAPAGOS )」は、新聞各紙や雑誌を含めた2万冊の電子書籍の配信を同時に始めました。雑誌など定期刊行物は、自動配信にも対応しています。
筆者はビッグカメラで、iPad より一回り大きい方の、10.8型ワイド画面のサンプル品に触って見ましたが、かなり良い出来で気に入りました。雑誌が見開きで楽しめる「10.8型ワイド画面」という触れ込みです。
雑誌の表示が、画面に収まりがいい感じで、めくり速度も軽快で、部分的な表示拡大機能なども楽しいものでした。iPadより日本語に最適化されていると思われます。実際に触って見るとよく分かります。(参考レビューGALAPAGOSで雑誌と「再会」)
現在、残念ながら、メーカー直販(予約)しかしていないようです。主なスペックは以下の通り。
・OS:Android 採用(サイト表記はLinuxベースOS)
・CPU:非公開
・ディスプレイ:10.8インチ液晶(解像度:1,366×800)、マルチタッチ対応
・内蔵ストレージ:?GB
・外部メモリカード:microSD/microSDHC(最大32GB、8GB microSDHC付属)
・カメラ:なし
・無線LAN: IEEE802.11 b/g準拠
・バッテリー駆動時間:約10.5時間
・重さ:約765g
■ソニーのリーダー(Reader)
ソニーの電子書籍「リーダー(Reader)」は、読書のしやすさで特色を出しています。実物を量販店で見た感じは、あまり明るくない新聞紙面のようなイメージで、文字が大変読みやすい工夫がされていました。
これは、白黒の微粒子を制御して文字を表示する「電子ペーパー」方式というもので、動画やカラー表示は出来ませんが、画面が発光しないため、目に優しいようです。書籍の配信サービスでも、KDDIと組み、当初は2万冊を用意したようです。
また特筆は、読書に特化したためかも知れませんが、通常利用なら1回の充電で、1万ページ分(2週間)は電池が持つということです。ソニーの「リーダー」は、もともと米国のキンドルに対抗して、改良されたものですので、書籍専用型と言えます。
■ビブリオリーフSP02(KDDI)
これもソニーと同じ書籍専用型と言えるものでやはり、「電子ペーパー」方式を採用しています。B6サイズで、6型の画面、価格が1万円後半と安いのが特徴です。コンテンツの配信は、ソニーと同じ会社経由ということです。
【どちらかと言うとスマートフォン】
■ギャラクシータブ(GALAXY Tab)
2010年11月末にNTTドコモは、スマートフォンとタブレットPCの中間的な存在となる、アンドロイドOS搭載の7型のギャラクシータブ(SC-01C、Samsung製)を発売しました。
これは、どちらかと言うとスマートフォンに近いようです。主なスペックは以下の通り。
・OS:Android 2.2
・CPU:Cortex A8 1GHz(S5PC110 1GHz)
・ディスプレイ:7インチ液晶(解像度:1024×600)、マルチタッチ対応
・内蔵ストレージ:16GB
・外部メモリ:microSD/microSDHC(最大:32GB)
・前面カメラ:130万画素CMOS
・背面カメラ:320万画素CMOS
・3.5G:FOMA(HSDPA/HSUPA)
・Wi-Fi:IEEE802.11 a/b/g/n
・Bluetooth:3.0
・バッテリ容量:4,000mAh
・重さ:380g
2011年2月10日記現在
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