初心者にやさしいメモリーの知識・解説−DDR4
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【 DDR4:第4世代DDRメモリー 】
正式には、DDR4−SDRAMで、これは、ダブル・データ・レート4−同期式DRAM(Double-Data-Rate4 Synchronous Dynamic Random Access Memory)の略です。
まず、DDR3 とDDR4 は、似ているように見えますが、全く互換性はありませんので、注意しましょう。
パソコンやサーバーでは2014年から、携帯電話(ARM Cortex-A57など)では、2015年から使われているようです。
【PC4-17000(DDR4-2133)対応メモリーの例 】
DDR3 SDRAM と同様、8ビットのプリフェッチ機能(CPUがデータを必要とする前にメモリから先読みして取り出す機能)を持ち、バンクグループ(注記)という考え方を用いることで、DDR3 の2倍の転送速度を実現しました。
DDR4世代とDDR3世代では、データ転送速度のほか、電源電圧、終端方式、DIMM形状などが違うほか、DDR4世代では数多くの新しい機能が追加されています。
その一方でプリフェッチのビット数(8ビット)やDRAMパッケージのフォームファクタなどは変わらないようです。
まず形状ですが、モジュール全体のピン数がDDR3の240ピンからDDR4では284ピンに増加しました。
ただ、ピンのピッチをDDR3の1.0mmから、DDR4では0.8mmに詰めたため、モジュールの長さは、DDR3とDDR4ともに133.35mmで変わりません。
そのほかDDR4世代ではモジュール基板の高さがわずかに増えています。
次に、電源電圧では、2.5Vを別に供給することがDDR4世代での大きな違いです。
DDR3がコア部1.5V、入出力部1.5Vであったのに対し、DDR4ではコア部1.2V、入出力部1.2Vと下がりました。電源電圧を下げるのは、消費電力の増大を抑えるためです。
下の表のメモリー規格2種類の名称で、DDR4-XXXX は、メモリチップ規格であり、PC4-YYYYY は、モジュール規格と言われるもので、どちらも使われています。
メモリチップ規格は、データ転送レート(=動作周波数、2133Mbpsなど)、モジュール規格は、搭載メモリチップの(すなわちメモリモジュールとしての)転送速度(17000MB/sec = 17GB/sなど)を示しています。
メモリー規格 | データ転送レート (Mbps) |
帯域幅:データ転送速度 (MB/sec) 1channel当り |
バスクロック周波数 Frequency(MHz) |
内部セル周波数 Frequency(MHz) |
---|---|---|---|---|
DDR4-4266(PC4-34100) | 4266 | 34100(34.1GB/s) | 2132 | 266 |
DDR4-3200(PC4-25600) | 3200 | 25600(25.6GB/s) | 1600 | 200 |
DDR4-2666(PC4-21333) | 2666 | 21333(21.3GB/s) | 1333 | 166 |
DDR4-2400(PC4-19200) | 2400 | 19200(19.2GB/s) | 1200 | 150 |
DDR4-2133(PC4-17000) | 2133 | 17000(17GB/s) | 1066 | 133 |
DDR4-1866(PC4-14900) | 1866 | 14900(14.9GB/s) | 928 | 116 |
DDR4-1600(PC4-12800) | 1600 | 12800(12.8GB/s) | 800 | 100 |
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なお、一般用途のUDIMM(Unbuffered DIMM)以外に、メモリーモジュールは、レジスターバッファ入りRDIMM(Registered DIMM)というタイプと、すべての信号(クロックやアドレスなどの制御信号とデータ信号)がレジスターバッファ回路を経由するLRDIMM(Load Reduced DIMM)の3つ目が登場して来ていて、ユーザーのニーズに応じて選択することができる。
注記)RDIMM と LRDIMM は、容量や高速性が重視されるサーバ向け製品などで用いられる。
また、それぞれのメモリーチャネルに実装できるモジュール数は、メモリデバイスの動作クロックに応じて変わってくる。
Intelが発表した資料によれば、DDR3およびDDR4は、以下のようになっている 。
(それぞれ、DDR3-1866、DDR3L-1600、DDR4-2133の例)
チャンネル数当たりの DIMM数 |
DDR3/1.5V | DDR3L/1.35V | DDR4(RDIMM) | DDR4(LRDIMM) |
---|---|---|---|---|
1 | 1866 | 1600 | 2133 | 2133 |
2 | 1600 | 1333 | 1866 | 2133 |
3 | 1066 | 800 | 1600 | 1600 |
RDIMMを利用した場合に、DDR4-2133で利用したい場合は、チャネルあたりのDIMM数を1つにしておく必要がある。
そうしないと、帯域幅が下がって遅くなるからである。バッファ入りのLRDIMMの場合は2本まで可能となる。
いずれにせよ、チャネルあたり3DIMM構成の場合にはRDIMMであろうが、LRDIMMであろうが1600MHz(Mbps)になってしまうので、最大メモリ構成で利用する場合には、メモリの帯域幅が若干下がることになる。
※注記)バンクグループという考え方
下図の4つのチャンネルに分かれたメモリーは、さらに4つのバンクグループ(BankGroup0-3)構成となっていて、その中の例えばバンク0に、別々のI/Oゲートを通してアクセスする方が、速くなるという方式とのことです。
(DDR3 DRAMでは、すべてのメモリバンクが1つの入出力バッファ(I/Oゲート)につながっていた。DDR4 DRAMではメモリセルアレイを16個のメモリバンクに分割し、4個のメモリバンクを1個のバンクグループにまとめた。)
なお、本記事は、PC Watch 「次世代ハイエンドDRAM「DDR4」の全貌」などを参照し、その一部を引用・転載させていただきました。
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2015年7月記