パソコンに地デジチューナーを搭載するには
【サイト内関連ページ】:
●地デジ(チューナー付)パソコン・ランキング(2010.12月) ●初心者の地上デジ対応パソコン入門(旧ページ)
2011年7月にアナログテレビ放送が終了し、地上デジタル放送に完全移行するということで、パソコンに「地デジチューナー」を搭載したいという方も多いかと思いますが、ここでは、その課題や方法について書いています。
つい少し前の2008年の春まで、単体パーツとしての「地デジチューナー」(別名:TV チューナー・キャプチャーボードに、地上デジの搭載不可だった。)は販売されていませんでした。もちろん、いわゆる地上デジパソコンは売っていました。この辺の事情は、『初心者の地上デジタル対応パソコン入門』に書きました。
B-CASカード
この理由として、単体チューナの販売によってコンテンツの暗号化が破られるといった危険性があったため、受信に必要なB-CASカードが、“地上デジタル放送受像機”にしか支給されなかったのです。
2008年の4月に社団法人デジタル放送推進協会(Dpa)が、「PC用デジタル放送チューナのガイドライン」を策定したため、単体発売のPC用デジタルチューナを購入すれば、自作PCなどでもデジタル放送の受信や録画などができるようになったのです。
2008年5月に、「地デジキャプチャ」という名前で製品化され、ピクセラ、アイ・オー・データ、バッファローなどのメーカーから続々と商品が出てきました。この頃に紹介記事を書こうとしてタイミングを逃したため、もう2年も立ってしまいました。
今年2010年6月には、アイ・オー・データから、H.264(MPEG-4 AVC)形式で直接録画ができる地デジ放送(BS/110度CSデジタル)対応キャプチャカード「GV-MVP/Xシリーズ」なども発売されています。
大半の地デジキャプチャが、MPEG-2 TS形式で録画され、(H.264形式にするにはトランスコード処理が必要になるが、)この製品ではハードウェアトランスコーダを搭載したため、H.264形式での直接録画が可能となったようです。
さて、本ページは、手持ちのデスクトップパソコンに市販の地上デジチューナーを搭載し、テレビを見るには?という観点から書いていますが、どんなことをチェックすればいいのでしょうか。基本的なことを再度調べてみました。
【放送エリアの確認】
もうほとんどの地域で問題ないとは思われますが、地デジを見るために、まず「居住の地域」が地デジ放送を受信できるか(放送エリア)の最終確認が要ります。下記のサイトから確認できます。
→放送エリアの目安(社団法人デジタル放送推進協会(Dpa)のサイト)
【アンテナを確認する】
アンテナ確認の内容は、地デジの受信方法によって異なります。つまり集合住宅など住まいの状態により、確認項目が違って来ます。
共同アンテナの場合を除き、私の場合もそうでしたが、ほとんどの戸建て家庭では、新しいアンテナが必要となりそうです。
1.戸建ての個別アンテナの場合(アパート、マンションでも):
・UHFアンテナ :アナログ放送と受信方向が同じで、UHFアンテナが地デジ放送の帯域に対応している必要がある。(近くの「家電量販店」のテレビ売り場で聞くと親切に教えてくれると思われる。)
・VHFアンテナ :残念ですが受信不可です。
2.集合住宅の共同アンテナの場合
・屋上等に共同アンテナが設置されている場合は、管理組合やマンションのオーナーから確認が必要となる。
3.ケーブルテレビの場合
・パススルー方式 :そのまま地デジ視聴が可能。
・トランスモジュレーション方式 :ケーブルテレビ会社が提供する専用STB(セットトップボックス)でのみ視聴可能。
【グラフィックカードと液晶ディスプレイ(モニター)について】
1.グラフィック(カード)ドライバーについて
最新ドライバーに含まれるCOPPドライバーに更新する必要がある。
(更新してもディスプレイがアナログ接続の場合は、画質が落ちるSP/LPモードのみが視聴可能。)
・※COPPとは、マイクロソフトが開発したデジタル・コンテンツの著作権保護技術。
・※SP/LPモードとは、中画質/低画質(長時間録画用)モードのこと。
2.ハイビジョン画質(DP/HPモード)で視聴したい場合
グラフィックボードと液晶ディスプレイの両方とも、著作権保護のためのHDCP対応デジタルDVI接続仕様のものにアップグレード変更する必要がある。
・※HDCP対応とは、デジタルコンテンツの不正コピー防止を目的とする著作権保護技術。
・※DPモードとは、最高画質、著作権保護(DVI出力/HDCP)が必要なモードのこと。
・※HPモードとは、高画質、著作権保護(DVI出力/HDCP)が必要なモードのこと。
もし、この辺の対応がされていない場合、「著作権保護に対応していない為 視聴できません。コンテンツは保護されています。」と表示されてソフトが終了し視聴できなくなるように出来ていますので気をつけたいものです。
以上を簡単に整理しますと、個宅の場合はかなり多くの方に「新しいアンテナ」が必要となり、HDCP対応した「グラフィックボード」と「液晶ディスプレイ」も必要になるものと思われます。
バッファロー 地デジチューナーDT-H10/PCI
【地デジチューナーカード(内蔵式)】
左の写真は、バッファロー製の地デジチューナー(DT-H10/PCI ¥8,500円)の例ですが、(一般のカード増設と同じように、)このカードを空いているPCIカードスロットに挿入・固定し、付属のドライバーをインストールすれば、それで良いのでしょうか?
グラフィックボードと液晶ディスプレイを地デジ対応(HDCP対応)に買い換えた場合は、ほぼ問題をクリアしたと思われますが、そうでない場合、パソコン環境に注意が必要です。
そのチューナーカードが自分のパソコンに適合するかどうかをチェックする、「環境確認ツール」なるものが、メーカー各社の該当ページにあるので、まず購入する前に、これをダウンロード(無料)してテストするのが良いようです。
バッファロー製 地デジチューナーDT-H33/U2(¥10,600円)
【外付け式の地デジチューナー】
パソコンの中を開けたくない方やノートパソコンの方は、外付けチューナーが大変便利です。これについては、USB2.0以上の接続がほとんどのようです。
その点を除けば、上の内蔵カード方式とチェック項目は、同じですので、やはり、環境確認ツールでテストし、その製品が適合するかどうか調べましょう。
★地デジチューナーが安い店は?
アマゾンで「地デジチューナー」の価格を調べる
★地デジチューナー搭載モデルが豊富なメーカーとショップ
●日本HP Pavilion Desktop PC:ダブル地デジチューナー搭載モデル一覧(12機種)他
●ドスパラ:地デジチューナー搭載モデル一覧(6機種)
●ツクモ:地デジ搭載モデル一覧(3機種)
2010年 8月記。
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