マウスコンピュータの工場、製造現場を見学取材
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日本のBTOパソコンメーカーの草分け的存在であるマウスコンピュータ
今回、その製造現場に伺い、製品品質を中心に製造現場を取材してきた。
マウスコンピュータの工場は長野県の飯山市にある。
もとはモニタ製造のiiyama(飯山)の工場で、広い工場敷地を持っている。
品質管理本部の竹内部長にお話を聞いた。
質問者:
以前、当サイトの【『 マウスコンピュータ 』のBTOパソコンを徹底評価】の記事でパーツの分析を行っています。
しかし、評価できるパーツのメーカー名記載が無く、当時は製造、組立ての記載がなく評価が出来なかったという経緯がありましたが現在ではいかがでしょうか?
竹内部長:
今は実際、中を見ていただいて訳のわからないパーツというものは無いです。
実際にキーパーツであるマザーボード、電源、メモリ・・・このあたりが安定度を求めますので、その辺に関しましてはしっかりとベンダーと契約の上で処理して入ってきているので、どこかからパーツをかき集めて作っているという状態では無いです。
また、あくまでも出来上がった製品をお客様に売るというのが基本スタンスですから、中のパーツをひとつひとつアナウンスする形はとっていないです。
あくまでも出来上がった製品に対してお客様に満足いただけるように品質の面に関しても活動しています。
質問者:
バラしてみてパーツのメーカー名はわかるものですか?
竹内部長:
メーカー名がはっきり書いてあるわけでは無いですが、マザーボードでいうとモデル名をみれば、メーカー名はわかると思います。
PCをやられている方ならばわかっていただける大手のベンダーの製品を使っています。
また、東京の開発の方でパーツについては評価していて、それをパスしなければパーツを購入できないシステムになっていますので、訳のわからないパーツが入ってくることは、少なくとも今は無いです。
質問者:
パーツの購入した後はどうなりますか?
竹内部長:
開発が評価してOKが出たパーツを購入しますが、こちらに到着した時点で本当にその仕様のものかどうか受け入れでチェックしています。
そこでOKになったものが在庫になって生産に流れていく形となります。
質問者:
飯山工場のみで生産していますか?
竹内部長:
ここがメインですがここだけではキャパ的に間に合わないので別の工場でも行っています。
しかしあくまでも、こちらが管理している部材を運んで組立てます。
組み立てに当たっては同じシステムを使用していますので、全く同じものが出来上がります。
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【セル生産方式】
質問者:
セル生産方式をとっていますがその理由は?
竹内部長:
セルじゃなければいけなかった理由は、やはりBTOだからですね。
大手さんとは違って一品一様の製品を常にタイムリーな状態で作るのがメインですから、これを大きくすることは出来ないですね。
ですからセルでやるというのが必然性としてありました。
ラインでは流せない分、細かなオーダーを受けられるということですね。
大手さんでもBTOやってはいても、一品一様はなかなか対応できないというのがあると思います。
細かなオーダーにお応えできるという事では理想だと思っています。
質問者:
品質の向上について努力されていることは?
竹内部長:
実績ベースで現状がどうなのかというのを常に把握していることが一番ですね。
品質の中では個々の部品の品質と生産の品質の問題がありますね。
セル生産でやっているので、残念ながら個人差は出ることがあります。
同じ製品を作るようにシステムを用意していますけれども出来上がりに若干の違いが出てくる。
(不良率を把握している)
部品品質と生産品質の両方において今、この工場内でどうかという現場のデータの収集、それと、
ここから出した後、短期でどのくらいの不良が出ているか、ライフ的な部分になりますが、その先どのくらいの不良が出ているのかを常に把握しています。
それによってこちらで購入したパーツに変な品質のものが入っていないかをチェックして、基準を超える不良率があった場合はメーカーと改善に向けて話し合いをしています。
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質問者:
具体的にはどういったことを行っていますか?
【環境試験】
(恒温槽外観)
竹内部長:
マザーボード、電源、メモリーなどのキー部品に関しては恒温槽という環境試験用の機器がありますので、部品の信頼性の部分をチェックできます。
温度ストレスでどう変わるかなどを見た上で最終判断をします。
質問者:
恒温槽で試験の結果ダメな場合もありますか?
竹内部長:
あります。ダメな場合は「こう変えてください」というようにメーカーに改善をお願いします。
それに対して変えてくれればいいのですが、中には「ウチの製品はそんなことは無い。」と対応していただけないメーカーさんも時にはあります。
そうするとこちらとしては購入できないですね。
→■飯山生産へのこだわりとは?
質問者:
厳しい目でチェックされているんですね?
竹内部長:
ええ、そこで甘くしても結局最終エンドさんからクレームを受ける形になりますから、そこは、もう非常に厳しくしています。
市場に広く出回っているパーツでも、ウチにとってはダメだといって断ったこともあります。
質問者:
なるほど、そうすると個人でパーツを購入して自作するよりも、かなり安心度が高いですね。
竹内部長:
そうなるように一生懸命やっています。
個人で買うのは一個じゃないですか。
ダメなやつが当たった場合は交換すれば済むことですが、ウチの場合は法人さんにも入りますので、例えば10台、20台買っていただいて、もしも、2台、3台不良が出たら残りは大丈夫なのかという話になりますよね。
そういう状態にはビジネスとしては出来ないということなんです。
そういう面で、会社全体でクオリティには神経質になっています。
質問者:
(製造上の品質について)
組み立ての品質の為に従業員については何か指導されたりしていますか?
【モニター表示による組み立てミスの防止】
竹内部長:
現場ではモニター表示による組み立て方法のソフトでサポートをしてミスを防いでいますが、もし不良が出た場合については常にその場で話をして、その人のスキルを上げられるようにしています。
また、更に出荷前のパソコンからは必ず抜取りチェックをしています。
万が一、不良が見つかった場合は、そのセルで作成したPCは同じようなミスが無いかどうか、全て見直しをかけることになります。
【QCサークル活動】
竹内部長:
また、QC(Quality Control)サークルというものを活発に行っています。
これは管理社員は抜きにして実際に作っているメンバーだけが集まって実際に品質のデータを見ながらどうやってあげていけるか話合うという取り組みです。
そして半年に1回は結果を持って発表会を行っています。
これは、現場での生産手順の確認や、環境、メンタルな部分まで話し合うことによって士気を上げて、こういった部分も品質アップにつながるわけです。
質問者:
ありがとうございました。
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【工場全体のイメージ】
★マウスコンピュータの飯山工場を見学取材 (中央の三角ボタンをクリックで、視聴出来ます!)
では、現場ではどのような流れで組みあがっていくのであろうか?
松本工場長に現場を案内していただいた。
購入したパーツはトラックで納品されるとすぐに、そのパーツの仕様に間違いがないかどうか、検査される。
例えば、マザーボードではUSBの仕様、オーディオの仕様などに間違いが無いかチェックされる。
メーカーが誤って違う仕様のものを送ってきていないかという検査である。
それが終わると全てのパーツにシリアルを振り、そのパーツの入荷から組み立て納品までの経路は全て把握されるようになっている。
これによって万が一不良等が見つかった時に原因の見極めや、同様のトラブルを抱える可能性のあるパソコンをすぐに見つけることができるそうだ。
お客様のオーダーに合わせたパーツ生産指示書に合わせてピッキングされ、ケースに入れられた後、更にパーツに相違が無いかチェックされ、いよいよ工場に入っていく。
工場は屋根が高く開放的で明るい印象だった。
第2工場と呼ばれるスペースの一番手前には組立作業をする従業員がセル方式でパソコンを組立てていた。
セル方式というのは一人で一台のPCを最後まで組上げる方法である。
工場としての生産能力はやや落ちるが、多彩なラインナップを扱うことができるメリットがある。
マウスコンピュータでBTO注文できるPCのモデル数はBTO業界の中でも非常に多く、更に加えて個々にカスタマイズオーダーとなるため、こういったセル方式で対応をしているのだ。
【セル生産方式現場】
実際にセルにお邪魔してみた。
セルにはパーツ構成や設計図を映し出すモニタが配置され、多彩なラインナップでも組立てに間違いないようシステム化されている。
また、組立てにおいて特に間違いやすい注意すべき点は写真入りでボードに張られるなど、ミスを防ぐ仕組みが見受けられた。
従業員は真剣な目つきでPCで詳細を確認しながら丁寧に組上げていく。
手先が器用だからなのか女性の従業員が多いのが目に付いた。
(内視)
【内視検査】
一通り組立てが終わると、PCは内視検査の部署へ移動された。
ここでは、組上げたPCを一度開けて、目視でワイヤリングのチェックや起動チェックが時間をかけて丁寧に行われていた。
【エージング工程】
(エージングと初期不良除去)
その後、基本的なBIOS設定を行いエージングに入る。
この場合のエージングとはメモリや主要パーツのチェックプログラムを時間をかけて走らせて、パーツの不具合がないかチェックするというものである。
エージングには最低2時間はかかるそうで、メモリの搭載量によっては更に時間がかかるという。
エージングによって確認しずらいハードウェアのマイナーな初期不良も発見されることになり、信頼性がアップする。
自作派には真似できない工程であろう。
エージングが終了すると今度はスピーカー、マイク、USBなどの外部端子のテストが従業員によって行われる。
実際にヘッドセットをつけて作業をする姿が見られた。
ここまできて始めてPCのハードウェアとしての完成品となる。
(チェックシート)
【チェックシート最終検査】
オーダーに合わせたOSを組み込み、ドライバ、ソフトウェアを組み込んだ後に更にモニターに接続してチェックを受け、やっとお客様に納品する仕様となるわけだが、箱詰めの前にまだやることががある。
今まで組上げてきた履歴と間違いなくオーダーされたパソコンに仕上がっているかを端末でチェックしていく。
この時には過去のミスのフィードバックも画面に表示されており、最終的な点検を間
違いのないよう入念にチェックする様子が伺えた。
【箱詰め】
最後に箱詰めを行うのだが、ここでも添付物に漏れが無いよう添付物の写真撮影を行い、それを見ながら梱包するなどのミス防止策がとられていた。
このような工程を経て、晴れて出荷状態の完成品となった。
工場の1/4程もあるスペースにたくさんの出荷パソコンが並んでいるのが見られた。
次に品質管理本部へ行ってみた。
【品質管理検査】
品質管理本部ではトラブルのあるパーツや新規採用パーツ等を、検査し評価する部署である。
短期、長期的な不良の発見などもこちらでチェックされ、品質管理上非常に重要な拠点ともいえる。工場内にあり、常にパーツ等を検査、評価できる体制をとっている。
実際に取材中も、ユーザから持ち込まれた不良が疑われるマザーボードの検査の他、新しく採用されるドライバのDVDにウイルスが含まれていないかをチェックをしていた。
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(恒温槽の中で試験)
最後に環境試験用の機器を見せていただいた。
恒温槽というこの機器は新規部品のテストなどに使われ、温度変化によってパーツの耐久性や品質変化を確認できる。
性能的には-30℃から80℃までの検査が出来るそうだ。恒温槽の内部に入れていただいた。人が数人は入れそうな広さがあって驚かされた。
その時にはテスターの方(写真参考)が防寒着を着用して−5℃での電源のテストを行っていた。
【今回の取材を通して】
(工場の外観)
飯山工場におじゃましてクオリティを保つ為の努力を大きく感じることが出来た。
採用パーツの耐久性テストをおこない、購入後の不良の監視や、そのフィードバックをすぐに反映できる体制をつくるなどして、ハードウェアの信頼度は高い。
【今後の課題】
今後の課題として松本工場長は「ハードディスクイメージ展開の自動化を進めたい」と語った。
従業員が作業する現在のシステムではミス回避の為の二重三重のチェックが生産効率をスポイルしているそうだ。
お客様への「商品の速達化を図りたい」という未来への展開も積極的だ。
ミスを防ぐためのシステムの構築や従業員のスキルアップの為の努力、そして「より良いものを作り上げて行きたい」という強いスピリッツ、また製品に対する高い責任感が品質向上に大きく貢献していると感じられ、
以前のマウスコンピュータのBTOパソコンを徹底評価」で取り上げたPCのクオリティに関しての疑問は完全に払拭されたと認識することができた。
2010年11月27日記
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